四季折々の植物を五感で楽しめる 自然豊かなハーブ園

シソ

英名

Perilla

学名

Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo

科目

シソ科

別名

蘇葉(葉)、紫蘇子(種子)、紫蘇、紅紫蘇

原産地

中国中南部地方

利用部位

葉、種子

成分

■ 精油成分  :perillaldehyde, l-limonene, α-, β-pineneなど

■ フラボノイド  :apigenin, luteolinおよびその配糖体

■  アントシアニン配糖体  :shisonin

■ フェノール類  :rosmarinic acid, caffeic acidなど

■ トリテルペン  :ursolic acid, corosolic acid, oleanolic acid, augustic acidなど

図1 シソ含有成分

花言葉

『善良な家風』『力が蘇る』

見ごろ

8~9月

 シソは、中国中南部地方原産の草丈60 cm程度の1年生草本。茎は四角く、葉は縁がギザギザとした広卵形で、対生する。茎葉は紫色で、9月頃淡紫色の唇形花を穂状につける。薬用とされるのは、一般にこのアカジソ系であるが、茎葉が緑色、花が白色のアカジソや、葉がちりめん状でしわの多いチリメンジソなどが多くの品種がある。収穫は開花前の6~7月頃に行い、半日ほど日干しした後、陰干しにする。種子は、完熟する10月頃収穫し、陰干しにする。同属植物のエゴマ(P. frutescens Britton var. japonica Hara)は、葉が肉厚で緑色、茎に長軟毛を有している点で区別できる。

~心身すっきり、現代人に欠かせないハーブ~

 

 シソは、古くから親しまれ、栽培されてきた食品である。縄文時代の遺跡からシソの種実が出土している。中国では、蟹を食べて食中毒を起こした少年に、シソを与えたところ、元気を取り戻したという逸話があり、「紫の葉で命を蘇らせる」ことから、紫蘇と名が付いたと言われている。精油含量が高く、perillaldehydeに由来するシソ特有のにおいの強いものほど良品とされる。アカジソは梅干しの色つけに、アオジソは料理の付け合わせによく用いられる。刺身にもよく添えられているが、薬味としてだけでなく、その殺菌作用で食中毒から身を守ってくれるすぐれものだ。アカジソの色はshisoninと呼ばれるアントシアニン色素で、酸により赤色になる性質を持っている。梅にはクエン酸がたくさん含まれているため、アカジソと一緒に漬けることで、色鮮やかな梅干しが出来上がる。
 民間では、煎じ液を、気分のすぐれないときや、発汗、健胃整腸に用いる。最近では、抗アレルギー作用が注目され、アカジソ抽出物が花粉症の症状を改善するとして人気を呼んでいる。
 また、漢方でも重要な生薬の一つで、発汗や気のうっ滞を発散する目的で、香蘇散、半夏厚朴湯、神秘湯などに配合される。戦国時代の朝鮮征伐の時、加藤清正は、兵士たちの落ち込み、士気の低下に香蘇散を用いたと言われている。

流通品規格

日本薬局方に蘇葉が収載されている。

以下の項目は、その植物の期待される効果を示すものです。

作用

  • ●抗炎症作用
  • ●抗アレルギー作用
  • ●抗がん作用
  • ●抗菌、防腐作用
  • ●鎮静作用
  • ●健胃整腸作用

生理活性機能

● 抗アレルギー作用
 シソ抽出物は、マウスにおいて、I型アレルギー疾患に重要なヘルパーT細胞(Th1およびTh2)のバランスを制御し、過剰なTh2応答を抑制し、抗原特異的IgE抗体の産生を抑制することが示されている(図2)1)。したがって、シソ抽出物はI型アレルギーの予防・治療に対して効果を持つと考えられる。

図2 スギ花粉アレルゲンにより免疫したマウスに対するシソ抽出物のIgE抗体産生抑制作用
平均±S.D.を示す(n=5、⋆p<0.05)

 また、実験的に抗原抗体反応を惹起したI型アレルギーモデルにおいても、シソ抽出物の抗アレルギー作用が認められ、rosmarinic acidが活性本体の一つであることが考えられた2)

 

● 抗炎症作用
 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA)により誘導される炎症に対し、ursolic acid, corosolic acid, oleanolic acidなどのトリテルペン3)やluteolin4), rosmarinic acid5)に抑制活性が認められた。また。シソ抽出物は、炎症性サイトカインのTNF-αを抑制する4, 6)

 

● 抗がん作用
 シソに含まれるトリテルペン類3)やluteolin7), rosmarinic acid5)に抗発がんプロモーション活性が認められた。

臨床試験

● 花粉症
 シソ抽出物を1000 mgないし600 mg(1日量)花粉飛散期間に服用したモニター試験では、花粉症の全般的症状や、くしゃみ、鼻汁、鼻閉の各症状に有効であることが明らかとなった8)
 二重盲検法によりシソ抽出物の花粉症に対する作用を検討した結果、偽薬群では30%であったのに対し、rosmarinic acid 50 mg含有シソ抽出物群では55.6%、200 mg含有シソ抽出物群では70%に部分的改善あるいは改善が見られた(図3)9)

図3 シソ抽出物の花粉症に対する効果
各群21~35歳の男女9~10人に対し、3週間の二重盲検を行った。

● 胃腸不快感の改善
 二重盲検法により、胃腸不快を感じた30~70歳の男女50人において、シソ抽出物を300 mg(1日量)一ヶ月服用した結果、鼓腸、膨満感や腹部不快感などの症状が明らかに改善した。10)

安全性

長い食経験により安全であると考えられる。

引用文献・ 参考文献

1)石原達也ら,アレルギー, 48, 443 (1999)

2)T. Makino et al.,Biol. Pharm. Bull24, 1206 (2001)

3)N. Banno et al.,Biosci. Biotechnol. Biochem.68,85 (2004)

4)H. Ueda et al.,Biol. Pharm. Bull25, 1197(2002)

5)N. Osakabe. et al.,Carcinogenesis , (2004)

6)H. Limet al.,Biomol. Ther., 22, 62(2014)

7)H. Ueda et al.,Biol. Pharm. Bull26, 560(2003)

8)田村幸一ら,日本食品化学学会誌,5, 239 (1998)

9)H. Takano et al.,Exp. Biol. Med, ,229, 247(2004)

10)Buchwald-Werner et al.,BMC Complement Altern. Med.,14, 173 (2014)