レイシ

和名

マンエンタケ

英名

Reishi mushroom

学名

Ganoderma lucidum(leyss.ex.fr.)Karst

科目

マンネンタケ科

別名

マンネンタケ、鹿角霊芝(ろっかくれいし)

原産地

日本、中国

利用部位

子実体

成分

■多糖類(β‐グルカン)
■トリテルペノイド
■ヌクレオチド
■ステロール
■ステロイド
■脂肪酸 
■タンパク質/ペプチド

<生理活性成分>1)
ガノデリン酸B

  
エルゴステロール

 

花言葉

見ごろ

生育条件

自然の環境では生育しにくい(現在では人工栽培の方法が確立されている)。

古くから生薬として使われているキノコで海外では薬として扱われている国もある。人工合成の医薬品とは異なり天然の多くの成分が含まれておりその効果もさまざまである。

~中国最古の薬用キノコ~

■概要

 サルノコシカケ科に属する薬用キノコにカワラタケやマンネンタケ、イワタケなどがあり、レイシはこの中のマンネンタケのことをいい、約2000年前に編纂(へんさん)された中国最古の薬物書「神農本草経」には、不老長寿に用いる副作用のない上薬に分類されている⁾。強壮剤のハーブとして優れており肝炎、慢性を含む病気を治療し気管支炎、胃炎、腫瘍増殖および免疫学的にさまざまな薬効がある⁾。

■植物

 レイシは、北半球の温帯広葉樹林に見られる担子菌類で、中国では紀元前200年から記述がみられる歴史の古い漢方素材のひとつである。古来より、6種のレイシが記録され用いられてきたが、現在では赤レイシと紫レイシの2種類のみが使われている。一般的にはサルノコシカケの一種であるマンネンタケのことをレイシと呼んでいる。別名としてマンネンタケ/ロッカクレイシがある⁾。 特有のにおいがあり、味は苦い。

以下の項目は、その植物の期待される効果を示すものです。

作用

  • ●免疫調節
  • ●抗ウイルス作用
  • ●コレステロール低下作用
  • ●抗酸化作用

生理活性機能

■ 緩下作用
 Hep-2細胞に霊芝エキス1000µg/mLを添加し、1型ポリオウイルスを感染させたところ、ウイルス感染を88%抑制した。この結果から、霊芝エキスに抗ウイルス効果があることが示された(図2)

図2 霊芝エキスによるウイルス感染抑制

■ 抗バクテリア効果
 霊芝エキスと大腸菌(E. coli)を24時間培養し、培養液の濁度から菌の増殖を評価した。その結果、霊芝エキスが大腸菌の増殖を抑制することが確認された。このことから、霊芝エキスに抗バクテリア効果があることが示された(図3)6⁾。

図3 霊芝エキスによる抗バクテリア効果

 

■ 抗炎症効果
 BV2細胞にLPS(免疫反応を誘導)と霊芝エキスを添加し、PGE2(炎症性物質)の生産量を測定したところ、霊芝エキスが炎症性物質を阻害する事が確認された。この結果から、霊芝エキスに抗炎症効果があることが示された(図4)7⁾。

 

図4 霊芝エキスによる抗炎症効果

 

■ 抗ガン効果
 マウスにガン細胞を移植し霊芝エキスを5週間投与したところ、腫瘍の重さを減少させた。この結果から、霊芝エキスに抗ガン効果があることが示された(図5)8⁾。

 

図5 霊芝エキスによる腫瘍増殖抑制

 

■ 血糖降下効果
 正常血糖のラットと高血糖のラットを使用し実験を行った所、高血糖のラットに霊芝エキス1日当たり1mlを30日間投与し血液検査を実施したところ霊芝エキスは血糖上昇を抑制したという実験結果がでた。この結果から、霊芝エキスに血糖効果があることが示された(図6)9

図6 霊芝エキスによる血糖レベルの変化

安全性

血小板減少症の人では出血傾向、血圧低下作用がある医薬品との併用により低血圧を起こす可能性があるため注意が必要である⁾。

引用文献・ 参考文献

1)Benjamin Kirchweger,et al. Phytochemistry.114:114-124(2015).

2)クリスティー・アイミ・ヤマモトら.   ウイルス学ジャーナル. 9(37):(2012).

3)「健康食品」の有効性・安全性情報 ホームページ

 「健康食品」の素材情報データベース 「霊芝」

   https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail54lite.html

4)徳島県医師会 ホームページ 霊芝の効能

  https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/718-244

5)LC Faccin.,et al. Letters in Applied Microbiology.45:24-28(2007)

6)Ghazala Nasim.,et al. Pak. J. Bot., 43. 183-189 (2011)

7)Hyun-Min Yoon.,et al. Experimental and Therapeutic Medicine, 5. 957-963 (2013)

8)Kang Li.,et al. ONCOLOGY REPORTS, 38. 2803-2813 (2017)

9)Erna Elisabeth.,et al. Bach Medicines, 5. 78 (2018)